「まさか」は誰の身にも
大切な人との予期せぬ永遠の別れは、誰にでも起こりえます。
いきなりで驚かせてしまったでしょうか。もう少し、私の話にお付き合い下さい。
朝いつもどおりに見送った家族が、その日の夜には帰らぬ人となる。「そんなことは映画やドラマの中の出来事で、現実ではめったと起こることじゃない」と多くの方が思っているんじゃないでしょうか。
私は、その「まさか」が本当に起こるのだと知っています。
2010年のある早朝、隣で寝ていた妻が突然「お腹が痛い」と唸りはじめました。慌てて救急車を呼び、搬送された先で受けた診断は、大腸がんステージⅣ。「これ読んでおいてね」と医師からさらりと手渡された書類には、5年生存率がほぼ0だと無機質に書かれていました。即入院・手術、そこから始まった闘病生活は5年におよびました。そう、過去形なんです。告知から5年後の2015年9月30日早朝、妻は私の目の前で息を引き取りました。
告知を受けるまで予兆もなかったし、闘病していてもなお、あの日が最期になるとは思ってもいなかったのです。
妻の死を受け入れるには時間がかかりましたが、目の前で最愛の人を亡くすという経験があったからこそ、保険を扱う者として真の寄り添いができるはずです。私はこの仕事を絶対に辞めないし、私の命が尽きるまでお客様をサポートすると固く誓っています。それは、先に旅立った妻が遺してくれた言葉に、人を幸せにすることのなんたるかを教えてもらったから。
「目の前にいる人を幸せにできないのであれば、他の人を幸せにできない。」
以前の私は人に嫌われないようにと、八方美人に生きていました。『自分や周りの縁ある人を幸せする』という人生の目的を持ち、目先の欲求に流されず優先すべきことを自分で決められるようになったのはこの言葉が支えてくれているからです。縁あって出会ってくださったあなたの、いちばん辛い時にもきっと、力になれると確信しています。
「まさか」の別れから6年、いま私には2歳の息子がいます。
いちど失ったことで愛の本当の重みを知った私は、新たな家族はもちろん、すべての縁に愛と感謝をもって一生涯のお付き合いをすることを人生のミッションとしています。
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